年金資産の損失
Yahoo!ニュースに年金資産の2016年4〜6月期の評価損について記事が載っています。
評価損は5兆2342億円(▲3.88%)で2016年6月末の運用資産は129兆7012億円となりました。
2014年10月に運用の改革をしていますが、それ以降の全収益が消失したと書かれています。
こういう書き方をすると決まって人々は同じ反応をします。
「自分で運用した方がいい」や「責任取れ」や「ギャンブルするな」とかですね。
GPIF アセットアロケーションの変更
2014年10月に年金を運用管理するGPIFのアセットアロケーションは、以下のように変更されています。
- 国内債券 60% → 35%
- 外国債券 11% → 15%
- 国内株式 12% → 25%
- 外国株式 12% → 25%
- 短期資産 5% → 0%
国内債券に比重を置き、リスクを抑えた運用をしていましたが、株式への比率が国内・海外共に約2倍になっており、変更前よりもリスクを高めた運用に変更されています。
リスク資産の割合を高めたため、短期的には当然評価損が発生する可能性も高くなります。
リスク資産の比率を高めた理由
なぜリスク資産の比率を高めたかというと変更前のままだと将来の年金資産が足りなくなるためだと思っています。
(GPIFのウェブサイトでは、長期的に積立金の実質的な運用利回り1.7%を最低限のリスクで確保することを目標としてアセットアロケーションを変更したとありますが、解釈が間違っていたら申し訳ありませんが誰か教えて下さい。)
国内債券を中心としたアセットアロケーションでは、少ないリターンしか期待できません。
株式への比率を高めることにより、長期的に大きなリターンを狙っていこうということです。
当然リスクも高くなります。
そうしないと我々若い世代の年金が賄えなくなってしまうのですから、仕方がありません。
GPIFは世界最大級の機関投資家であり、運用している人はもちろんプロであり、我々の年金を預かるため、プレッシャーも相当なものと想像できます。
バクチなんてとんでもなく、理論に裏付けられた投資戦略を組んでいます(のはずです)。
GPIFのアセットアロケーションについての是非は分かりませんが、リスク資産が多いということは短期で見ると損失も見込まれるということです。
年金資産ですから数年のパフォーマンスをとやかく言っても意味がありません。
カルパース
ちなみにCalPERS(カリフォルニア州職員退職年金基金)は以下のようになっています。
なかなか強気なアセットアロケーションですね!
私の資産も円高が影響して評価減となっていますが、想定済みであり短期的な下落は仕方がないと考えています。