となりの億万長者を読みました
「となりの億万長者 成功を生む7つの法則」を読みました。
トマス・J・スタンリーとウィリアム・D・ダンコというマーケティングの専門家がアメリカのお金持ちについて調査した結果について書いた本です。日本語翻訳版が1997年に発行されており、調査時期も1996年以前と少し古いですが、内容的には時代・地域を問わない普遍的なものであり、大変参考になります。
お金持ちとはどういう人たちなのか?
要約すると真のお金持ちとは、世間一般が思ういわゆるお金持ちのイメージではなく、倹約を好む人たちだったということです。高級住宅街にある豪華な家に住み、高級な車に乗り、高そうなブランド品を身にまとい、優雅な生活を送っている人たちではなく、いわゆる普通の生活をしていて、見た目ではお金持ちとは到底思われない人たちが実はお金持ちには多いということがわかりました。
2014年に92歳で亡くなったアメリカ人のロナルド・リードさんという人がいるのですが、ガソリンスタンドなどで掃除の仕事をずっと続けていました。一般的には給料は多くないはずで、誰もお金持ちだとは思いませんよね?本人は相当なケチだったらしいのですが、実は資産を日本円にして9億円ほど持っていました。唯一の趣味が株式投資だったらしく、複数の銘柄に分散投資し、買ったら決して売らないという長期分散投資タイプの投資家でした。遺産は地元の図書館などに寄付されたようです。
素晴らしい。長期分散投資家が目指すべきはるか遠くにいる目標みたいな人ですね。
ロナルド・リードさんの話は書いてませんが、この本にはお金持ちになるには収入の多寡はそれほど重要ではなく、支出を抑えること、つまり倹約が大切だということを説いています。
私には倹約家の血が流れている(笑)ため、これを機に生活を改めようとか、それほどのインパクトは受けませんでしたが、収入が多いのにも関わらずお金が貯まらない人、または収入が低いのでお金が貯まらないと思い込んでいる人にはいい本ではないかと思います。
親の資金援助が浪費家を生み出す
それから、親が子供のためにお金を与えることが逆に自立を妨げるという点についても書かれています。ここでいう子供ですが、既に成人した人たちのことですね。親が金持ちで子供のためにと思い、資金援助をしていると子供は自分のものと勘違いして浪費家になってしまう傾向があるということです。
最たる例はソニー創業者の御曹司である盛田英夫氏です。盛田昭夫という歴史に名を刻む名経営者が築いた2,000億円の資産(ソニー株式)を一代で消失させたワールドクラスの放蕩息子です。
氏の業績を紹介しておくと、
- スキー場開発に200億円 → 平成バブル崩壊で失敗
- 米コロラド州のスキー場買収 → 失敗
- F1ビジネス参戦 → 失敗。この時点でソニーの株を全て失う
- 自身の会社の法人税の未払い分 → 母親の美術品コレクションの売却で埋め合わせ
- もはや資産は尽きているはずだが、ルイ・ヴィトンで66万円、赤坂の高級料亭で126万等浪費を繰り返す → クレジットカードの支払いできず
- その後も家賃月130万円のザ・キャピトルレジデンス東急に居住 → 家賃滞納1,000万円超。契約解除後も占有
すごい金銭感覚ですよね。。
この2人の例は両極端ですが、この本で書かれている本質を表していると思い、記載してみました。この本には野球選手や名家出身などの特別な人以外でも億万長者になれる可能性があるということを示す重要なデータと教訓が記されており、読む価値は十分にあると思っています。
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